対岸むかうぎし)” の例文
旧字:對岸
雇女が一人三畳へ入つて来て、濡れ縁へ出て対岸むかうぎしの紅い灯を眺めながら、欄干を叩いて低く喇叭節らつぱぶしを唄つてゐたが、藪から棒に
鱧の皮 (新字旧仮名) / 上司小剣(著)
対岸むかうぎしの諏訪様のほとりまで、道といふ道、窓といふ窓、屋根といふ屋根には人の垣を築きたるが如く、その中に海に向ひて三日月形に仕切りたる青竹の矢来に、警固、検視の与力、同心、目附
白くれない (新字新仮名) / 夢野久作(著)