寵者おもひもの)” の例文
平次は何處で聞いたか、斯う誘導いうだう的な問を持ちかけました。今では板倉屋伴三郎の寵者おもひもので通つて居るお勢が、曾て白旗直八に關係があらうとは、誰も知つては居なかつたのでした。
「散々の道樂で勘當になり、板倉屋に轉げ込んだ。最初は伴三郎と似た者同士で仲よく遊び廻つたが、板倉屋の寵者おもひもののお勢が、五年前白旗にだまされて道行までした事があると解つて二人の仲は次第に面白くなくなつた」