かかるところへ、かすみのなかから、ポカリときだした一列の人かげがある。寂光浄土じゃっこうじょうど極楽ごくらくへ、地獄じごく獄卒ごくそつどもがってきたように、それは殺風景さっぷうけいなものであった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)