宿醉ふつかよひ)” の例文
新字:宿酔
此頃の宿醉ふつかよひの氣持のわるさはこの一二年前まで知らなかつたことである。それだけ身體に無理がきかなくなつたのだ。
樹木とその葉:07 野蒜の花 (旧字旧仮名) / 若山牧水(著)
えたいの知れない不吉ふきつな塊が私の心を始終壓へつけてゐた。焦燥と云はうか、嫌惡と云はうか——酒を飮んだあとに宿醉ふつかよひがあるやうに、酒を毎日飮んでゐると宿醉に相當した時期がやつて來る。
檸檬 (旧字旧仮名) / 梶井基次郎(著)
宿醉ふつかよひはいよ/\出て來た。霧を見るのをやめ、眼を瞑ぢてをると、だう/\と流れ下つてゐる瀬の音が、何となく自身の身體の中にでも起つてゐる樣に思ひなされて來た。
湯槽の朝 (旧字旧仮名) / 若山牧水(著)