容貌かんばせ)” の例文
すでに日も経ているらしいが、その装束も尋常よのつね女性にょしょうとは思われないし、なお、生けるままな容貌かんばせ白玕はっかんのように美しかった。
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
牛輦うしぐるまが、前から来た。悪路に揺れて、輦の簾が、音をたてている。泥濘をよけつつ、それと、すれちがう時、小次郎は、簾のすき間から、チラと見えた麗人の白い容貌かんばせと黒髪に、胸が、どきっとした。
平の将門 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その容貌かんばせの白さはおののく白芙蓉びゃくふようの花そのままだった。
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)