宸翰しんかん)” の例文
この時に於て、明治天皇は三條実美さねとみを召されて、徳川家の旧勲を失はざるやうに処置せよ、との有難き宸翰しんかんを賜うてゐる。
二千六百年史抄 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
あくる日、しょうは、上清宮の神扉しんぴ深きところの、宸翰しんかん箱にまつり封ぜられ、式を終って、夜は一山の大饗宴だいきょうえんに移った。精進しょうじん料理ばかりのお山振舞ぶるまいである。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
法王聖レオ二世は、特別な宸翰しんかんを二つ書かれました、一つはピエール・ノテールに、一つはヴィジゴートの王に。
ところでこの原本は、後光厳院の宸翰しんかんとして今日伝へられてゐるものが、最も古い写本だとのことなのです。
「現金六千フランにして年三百フランの定期納金を有せざる娘は入会せしめざるの規約において」であった。サン・ジェルマンの修道院長の後に、国王は特許の宸翰しんかんを下した。
法王アレキサンドル七世は特別の宸翰しんかんをもって、サン・サクルマンのベネディクト修道女らのように常住礼拝を行なうことを、プティー・ピクプュスのベルナール修道女らにも許可した。