定命ぢやうみやう)” の例文
七十を越したよはひであるから、もはや定命ぢやうみやうてもいとおもふが、それでもやはり寂しい心が連日いた。
念珠集 (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
わしらとこの息子も二人とも十歳にもならねえでいけなくなりやしたが、これも定命ぢやうみやうで、實は此の人間の生れる月といふものは一年のうちに四月よつきしかねえでごわす。
山を想ふ (旧字旧仮名) / 水上滝太郎(著)
お神さんがわづらつた時は觀音樣へ曉方のお百度詣りをしたとか、寒中に水垢離みづごりを取つたといふ話もありましたが、それほどの信心でも定命ぢやうみやうに勝てなかつたものか、お神さんは二年前に亡くなりました
「何うしてそれが定命ぢやうみやうでないと解つたのだ」