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孱顔
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さんがん
ふりがな文庫
“
孱顔
(
さんがん
)” の例文
想うに麓の大森林を失って劒岳の
孱顔
(
さんがん
)
は、階老の侶を先立てて
遽
(
にわか
)
に憔悴した人のように、金剛不壊の額にも幾条か
崢嶸
(
そうこう
)
の皺が増したことであろう。
黒部川奥の山旅
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
そして珍らしく穏かな或日の朝、雲の綿帽子をかなぐり捨てた和やかな
孱顔
(
さんがん
)
を見せている山を眺めて、村の人達は
直
(
じき
)
に天気の変ることを知るのである。
山と村
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
南日君も今頃は八ヶ岳に登っている筈なので、遠く其方面に眼を放ったが、八ヶ岳は勿論北アルプスの大嶺は、
霙々
(
えいえい
)
たる雲海の下に沈んで、終に一度も
孱顔
(
さんがん
)
を顕わさないのは残念であった。
奥秩父の山旅日記
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
これからは路も明瞭である。十時頃大きな崖の縁に出た。来し方を顧ると、枝という枝を霧氷に飾られた大小二本の樅の間から、雲表に聳ゆる富士が笑ましげに
孱顔
(
さんがん
)
を顕し、
宛然
(
さながら
)
一幅の画であった。
春の大方山
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
孱
漢検1級
部首:⼦
12画
顔
常用漢字
小2
部首:⾴
18画
“孱”で始まる語句
孱弱
孱細
孱
孱々
孱然
孱陵
孱弱矢
孱願亦