嫉妬家やきもちや)” の例文
エビルは浮気者だったので、(ういう時に「けれども」という接続詞を使いたがるのは温帯人の論理に過ぎない)又、大の嫉妬家やきもちやでもあった。
南島譚:02 夫婦 (新字新仮名) / 中島敦(著)
いかにも嫉妬家やきもちやらしく不誠実な微笑を浮べたわたしの顔——彼女にとって珍しくないわたしの顔と、彼の肉感的な顔とは、明かに妻を興奮させたらしいのです。
直ぐ己れが、抱き込まれたであるまいかと、気が廻るのはお定まり。どこのだつても嫉妬家やきもちやといふものは、たいがいさうしたものだわな。焚付けて、焼かせる奴を、とかく有難がるものよ。
したゆく水 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
マリヤンには五歳いつつになる女の兒がある。夫は、今は無い。H氏の話によると、マリヤンが追出したのださうである。それも、彼が度外どはづれた嫉妬家やきもちやであるとの理由で。
マリヤンには五歳いつつになる女の児がある。夫は、今は無い。H氏の話によると、マリヤンが追出したのだそうである。それも、彼が度外どはずれた嫉妬家やきもちやであるとの理由で。