始中終しよつちゆう)” の例文
宣る時の神事様式を示す語で、詔旨を宣べる人の座をして言つたものらしい。即、平安朝以後始中終しよつちゆう見えた祝詞座・祝詞屋の原始的なものであらう。
此話を進めてゐて始中終しよつちゆう、気にかゝつてゐる事がある。私の話振りが、或は読者をしておほくにぬしの実在を信じさせる方へ/\と導いてゐはすまいか、といふ事である。
万葉びとの生活 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
対馬から朝鮮かけて、漁期には村を出払つて、行つてゐる。土地に始中終しよつちゆう居て、近海ばかりをせゝくつてゐるのは、蜑の村の人たちである。其でも近年は、朝鮮近海へ出て行く者も出来た。
雪の島:熊本利平氏に寄す (新字旧仮名) / 折口信夫(著)