奴平やつへい)” の例文
清吉と云う若い刺青師ほりものしの腕きゝがあった。浅草のちゃり文、松島町の奴平やつへい、こんこん次郎などにも劣らぬ名手であると持て囃されて、何十人の人の肌は、彼の絵筆の下に絖地ぬめじとなって擴げられた。
刺青 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)