女將かみ)” の例文
新字:女将
「お女將かみさんの甥の與之松さんで——あれもお北を追つかけ廻して居る口ですよ。尤も若旦那よりは少し筋が通つて居るが——」
銭形平次捕物控:180 罠 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
どうせうかと今一度躊躇する。終に思ひ切つてフッと吹き消す。危なげな段梯子を勢ひよく降りる。「又お出掛け?」と下宿の女將かみさんが言ふのを聞き流してついと出る。
俳諧師 (旧字旧仮名) / 高浜虚子(著)
「三人の娘達が言つてゐましたよ、お女將かみさんは、あの齡をして、毎晩濃く寢白粉をつけるんですつて、——だから白粉燒けで、かへつて、蒼黒い顏色になるんですね」
「お女將かみさんはゐるだらうな、神田の平次が來たと言つてくれ」