女官にょかん)” の例文
おつきの召使めしつかいたちも、さっさと、出ていって、皇帝のことをおしゃべりしていました。女官にょかんたちはといえば、にぎやかなお茶の会を開いていました。
われは心ともなくそのおもてを見しに、この女官にょかんはイイダ姫なりき。ここにはそもそも奈何いかにして。
文づかひ (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
したがい来し式の女官にょかんは奥の入口のしきいの上まで出で、右手めてにたたみたる扇を持ちたるままに直立したる、その姿いといと気高く、鴨居かもい柱をわくにしたる一面の画図に似たりけり。
文づかい (新字新仮名) / 森鴎外(著)
「今度行ったら、忘れないで、窓からのぞいてごらん。そうすれば、きっと見えるからね。ぼくが、きょう、のぞいてみたら、長い黄色いスイセンが、ソファに長々と横になっていたよ。あれは、女官にょかんなんだねえ」