天人てんじん)” の例文
「貂蝉。おまえに礼をほどこしたのではない。漢の天下を救ってくれる天人てんじんを拝したのだ。……貂蝉よ、世のために、おまえは生命をすててくれるか」
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
というのは、倫理、宗教と合して、天人てんじんに関するわれわれのいっさいの見解を表わしているものであるから。それは衛生学である、清潔をきびしく説くから。
茶の本:04 茶の本 (新字新仮名) / 岡倉天心岡倉覚三(著)
わしは心など迷わさなかったものを! ……父上にそむき妹に反き、天人てんじん共に許さぬ所業を! ……恐ろしくなったぞ、俺は恐ろしい! ……殺されるぞよ、われらこそ殺される!
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
その血で丹念に一字一字の法華経を写して「我此土がしど安穏、天人てんじん常充満」
大菩薩峠:20 禹門三級の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
有美ゆうび閨房秀けいぼうのしゅう 天人てんじん謫降来たくこうしきたるかね。」
奇遇 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)