天一坊てんいちぼう)” の例文
そのときの狂言は「天一坊てんいちぼう」の通しで、初代左団次の大岡越前守、権十郎の山内伊賀之助、小団次の天一坊という役割であった。
半七捕物帳:26 女行者 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
歳恰好から身柄といい、がら松と彼とは生き写しだった。今様いまよう天一坊てんいちぼうという古い手を仙太郎は思いついたのである。
「急用と申すほどで無いが——天一坊てんいちぼうと申す者の噂を聞いたか?」
大岡越前の独立 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
西洋の天一坊てんいちぼうなのだ。
黄金仮面 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
あの天一坊てんいちぼうも、この、またたきもしない眼に看破みやぶられたのである。
丹下左膳:03 日光の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)