大蜈蚣おおむかで)” の例文
ななめに、がッくりとくぼんで暗い、崕と石垣の間の、遠く明神の裏の石段に続くのが、大蜈蚣おおむかでのように胸前むなさきうねって、突当りにきば噛合かみあうごとき、小さな黒塀の忍びがえしの下に、どぶから這上はいあがったうじ
売色鴨南蛮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)