大百だいびゃく)” の例文
かれが大百だいびゃくのかつら、四天よてんの着附、だんまりの場に出る山賊などに扮して、辻堂の扉などをあけてぐっと大きくにらんだとき、あらゆる俳優はその光りを失わなければならなかった。
明治劇談 ランプの下にて (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
……随分、ふてえ、小癪に障る、それこそ人の小股をすくうようなことばかり始終しょっちゅうしちゃァいるが、もと/\そんな悪党じゃァない。——そんな大それた真似の出来る大百だいびゃくじゃァない。
春泥 (新字新仮名) / 久保田万太郎(著)
芝翫しかんの五右衛門、大百だいびゃくに白塗立て、黒天鵞絨くろビロウド寛博どてら素一天すいってん吹貫ふきぬき掻巻かいまきをはおり
両座の「山門」評 (新字旧仮名) / 三木竹二(著)