大廊下おおろうか)” の例文
そして、向こうのはしの一枚がポンとめくれる——たちまち飛びだした呂宋兵衛るそんべえ脱兎だっとのごとく大廊下おおろうかから武者走むしゃばしりににげだした。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
大廊下おおろうかには人がいる、ワイワイとさわいでいる。そッちへは逃げられない、次のへ、スーと抜けてくると、障子しょうじやりをもってる人影がうつっている。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「あッ!」と藤巻石弥ふじまきいしやも、同時にひとみをおさえて飛びしさる、とたんにすきをねらった老婆ろうばは、黒布こくふをひるがえしてドドドドドッと大廊下おおろうかから庭先へ飛びおりた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
近習きんじゅたちは、大廊下おおろうかに待って、秀吉の供についた。
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)