大子だいご)” の例文
翌日午前六時大子だいご駅出発。これから八里の山道を登って、今夜は海抜三千三百三十三尺、八溝山やみぞさんの絶頂に露営する積りである。
本州横断 癇癪徒歩旅行 (新字新仮名) / 押川春浪(著)
水戸から久慈郡へ拔けて蒟蒻粉で有名な大子だいごの町から折れて下野へ出た。或る山の小村で夜を明して翌日那須野を横斷して其日は一日のうちに鹽原の奧まで行つた。
痍のあと (旧字旧仮名) / 長塚節(著)
宿屋はと尋ねても大子だいごまで行かなければならないという。困っていると温泉で泊めるかも知れないと一人の若者が親切に其家へ案内してれた。最前見た田の中の新築の家がそれであった。
四十年前の袋田の瀑 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
それより山道をあるいは登り、或いはくだり、山間の大子だいご駅の一里半ほど手前まで来かかると、日はタップリと暮れて、十七夜の月が山巓さんてんに顔を出した。
本州横断 癇癪徒歩旅行 (新字新仮名) / 押川春浪(著)
というのは、翌日は行程十五里、山間の大子だいご駅まで辿り着いておかねば、その次の日、予定のごとく八溝山やみぞやまの絶頂へ達する事は極めて困難であるからだ。
本州横断 癇癪徒歩旅行 (新字新仮名) / 押川春浪(著)