大国魂おおくにたま)” の例文
大国魂おおくにたまさまの御霊遷みたまうつしのある刻限前に、どうでも府中まで駈けつけねばならぬ用事があって、甲州街道の駕籠立場まで来て、むこうっ脛の強そうなのを選んでいると
顎十郎捕物帳:23 猫眼の男 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
東京には招魂祭、府中には大国魂おおくにたま神社じんしゃの祭礼があるので、甲州街道も東へ往ったり西へ来たり人通りがにぎやかだ。新宿、九段、上野、青山とまわって、帰途に就いたのが、午後四時過ぎ。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
字は禄所ろくしょが正しいという説もあるが、本社祭神は大己貴命おおなむちのみこと相殿あいでんとして素盞嗚尊すさのおのみこと伊弉冊尊いざなみのみこと瓊々杵尊ににぎのみこと大宮女大神おおみやひめのおおかみ布留大神ふるのおおかみの六座(現在は大国魂おおくにたま神社)。武蔵むさしでは古社のうちへ数えられるのだ。
怪異暗闇祭 (新字新仮名) / 江見水蔭(著)
近江屋の一家に隠れた悪業あくごうがあって、大国魂おおくにたまさまが罰をあたえるためにお神矢かみやを放ったというわけでもありますまい。いったいどんなふうにして殺ったものでしょう
顎十郎捕物帳:23 猫眼の男 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
五月五日は府中ふちゅう大国魂おおくにたま神社所謂六所様の御祭礼ごさいれい
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)