大団扇おおうちわ)” の例文
旧字:大團扇
と、耳ぶくろへ入れては、ひとりのわっぱに、大団扇おおうちわで汗をあおがせながら、筆を執っていたという。まことに、おかしな風格をもっていた人物であった。
薬の看板を掛け、防火用の黒い異様な大団扇おおうちわそなえ付けてある表門のところには、時ならぬ紅白の花が掛かった。
家:01 (上) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
大団扇おおうちわのように空中に立ちはだかッて——どうも虫が好かぬ。
あいびき (新字新仮名) / イワン・ツルゲーネフ(著)
童部わらんべたちもその大団扇おおうちわを忘れずに後からかついで参れ。
(新字新仮名) / 芥川竜之介(著)