大哥あにい)” の例文
「お察しの通り、藤代の御屋敷へ行くんですが、まだ誰にも馴染なじみがないもんですから、こちらの大哥あにいに連れて行って貰わなければ……」
半七捕物帳:27 化け銀杏 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
『イヨー、大哥あにい
二十三夜 (旧字旧仮名) / 萩原朔太郎(著)
そのお駒が突然に冥途へ鞍替えをしたのであるから、伊勢屋の店は引っくり返るような騒ぎになった。土地の素見ひやかし大哥あにいたちも眼を皿にした。
半七捕物帳:31 張子の虎 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
すると、相手はせゝら笑って、「へん、刺青もねえ癖に、乙う大哥あにいぶって肌をぬぐな。」とか、なんとか云ったそうです。
三浦老人昔話 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
「おい、大哥あにい。わっしになにか用でもあるのかえ。花見どきに人の腰を狙ってくると、巾着切きんちゃっきりと間違げえられるぜ」
半七捕物帳:30 あま酒売 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
背中一面の刺青ほりものをみて、威勢が好いとかいきだとかいう人は、その威勢の好い男や粋な大哥あにいになるまでの苦しみを十分に察してやらなければなりません。
三浦老人昔話 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
大哥あにい、ひどく器量が悪いじゃあねえか」と、半七は溝から這いあがって声をかけた。
半七捕物帳:11 朝顔屋敷 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
「やあ、神田の大哥あにいですか。お珍らしゅうございますね。まあお上がんなさい」
半七捕物帳:02 石灯籠 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
大哥あにい。多吉の大哥。すまねえが助けてくれ」
半七捕物帳:14 山祝いの夜 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
大哥あにい、なにもかも申し上げます」
半七捕物帳:02 石灯籠 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
「おい、あにい、寅大哥あにい
半七捕物帳:09 春の雪解 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)