外舅ぐわいきう)” の例文
しかしわたくしは偶然水西荘が安藤の有に帰してゐた時の事を知つてゐる。わたくしの亡弟篤次郎の外舅ぐわいきう長谷文はせぶんさんと云ふ人がある。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
即ち蘭軒の外舅ぐわいきうである。家は杏庵が襲いだ。伊勢国薦野こものの人、黒沢退蔵の子で、休庵の長女の婿となつた。蘭軒の妻益は休庵の二女であつた。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
瑞長の外舅ぐわいきう青木と、程安ていあんの養父たらむとしてんだ嵐山あらしやまとの事は未だ考へない。此年瑞英四十五歳であつた。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
翌十四日に井上、小河は城内の事を利章に告げた。利章はすぐに剃髪ていはつして、妻と二男吉次郎とを人質として城内へ送つた。人質は利章の外舅ぐわいきう黒田兵庫に預けられた。
栗山大膳 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
亀千代は寛文九年に十一歳で総次郎綱基そうじらうつなもととなり、えて十一年、兵部宗勝の嫡子東市正宗興いちのかみむねおきの表面上の外舅ぐわいきうとなり、宗勝を贔屓ひいきした酒井雅楽頭忠清さかゐうたのかみたゞきよやしきでの原田甲斐はらだかひ刃傷にんじやう事件があつて
椙原品 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)