“壱岐坂”の読み方と例文
読み方割合
いきざか100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
同じ年の十月頃、僕は本郷壱岐坂いきざかにあった、独逸ドイツ語を教える私立学校にはいった。これはお父様が僕に鉱山学をさせようと思っていたからである。
ヰタ・セクスアリス (新字新仮名) / 森鴎外(著)
私たちはそれから壱岐坂いきざかへおりる路と平行した右側の焼け残った路を往って、順天堂のあたりから水道橋の手前まで一撫でにした火の跡を見て引き返した。
死体の匂い (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
以前と違って笠をかぶらないで、「伝通院学寮」の提灯ちょうちんを腰にはさみ、例の杖槍はてばなすことなく、門を出て本郷の壱岐坂いきざか方面へ、跛足びっこを引いて歩んで行きます。
大菩薩峠:21 無明の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)