墻内かきつ)” の例文
寺と言ふ物が、奈良の内外にも幾つとあつて、横佩墻内かきつたゝへられてゐる屋敷よりも、もつと広大なものだとは聞いて居た。
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
三条七坊をすっかり占めた大屋敷を、一垣内ひとかきつ——一字ひとあざな見倣みなして、横佩よこはき墻内かきつと言う者が、著しく殖えて来たのである。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
当麻たぎまむらまで、おとといの中に行って居たこと、寺からは、昨日午後横佩墻内かきつへ知らせが届いたこと其外には、何も聞きこむ間のなかったことまで。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)