四方屋よもや)” の例文
四方屋よもやは萬といふ身上で、主人が情け深い上に、跡取娘のお秀は申分のないお孃さんで、殺されたお皆さへゐなければ、奉公人達もどんなに樂をするか判らないと言つた話
ガラッ八の叔母のれて来た客というのは、下谷したや車坂の呉服屋四方屋よもや次郎右衛門のところに二十年も奉公しているお谷という六十近い婆やさんで、よっぽどの大事があったらしく
「京橋お弓町の雜穀屋、四方屋よもや徳右衞門樣の若旦那徳太郎さんが、御新造のお染さんを殺したといふ、飛んでもない疑ひを受けました、そんな馬鹿なことがあるわけは御座いません」
銭形平次捕物控:260 女臼 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
匕首を枕の下へ入れて寢るところまで見極めると、私は矢もたてもたまりませんでした。あの女はきつとお孃さんを殺して、喜三郎さんを手に入れ、四方屋よもやの身上を狙ふに決つてをります。
下谷車坂の呉服屋四方屋よもや次郎右衞門のところに二十年も奉公してゐるお谷といふ六十近い婆やさんで、余つ程の大事があつたらしく、すつかり顛倒てんたうして了つて、物を言ふのさへしどろもどろです。
四方屋よもやの離屋、そこには浪人寺本山平が寝泊りしているはず。