器量好きりょうよ)” の例文
「おおかたもうじきでしょう。叔父さんはあんな性急せっかちだから。それに継子さんはあたしと違って、ああいう器量好きりょうよしだしね」
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
声のぬしは妹である。旧式の束髪そくはつ俯向うつむけたかげに絹の手巾はんけちを顔に当てた器量好きりょうよしの娘さんである。そればかりではない、弟も——武骨ぶこつそうに見えた大学生もやはり涙をすすり上げている。
文章 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)