器具うつわ)” の例文
が、今は他のものを器具うつわでない。瓜はそのまま天来の瓜である。従って名実ともにたがねは冴えた、とその道のものは云った。
河伯令嬢 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
肩に振り分けにして掛けているのは麓の城下から持って来るところの色々の珍らしい器具うつわ食物たべもので、つまり彼は山と城下とを往来している行商人なのであった。
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
そこにあるほどの器具うつわ類を——岩壁に懸けられた円鏡や、同じく岩壁に懸け連ねられた三光尉、大飛出、小面、俊寛、大癋見おおべしみ、中将、般若はんにゃ釈迦しゃかなどの仮面や
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)