唐手からて)” の例文
当年六十歳の神田兵太郎は数年来唐手からてに凝っている。仕事の合間にこの大広間で唐手の型をやって小一時間も暴れまわったあとで、入浴する。
正午の殺人 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
唐手からてを知って居るんだ。見ろ、この柱を。へこんで居るずら。これは、二階の客人がちょいとぶん殴って見せた跡だよ。
老ハイデルベルヒ (新字新仮名) / 太宰治(著)