和土たたき)” の例文
和土たたきの廊下が地面とれ擦れに五六間続いている突き当りに、診察室と云う札がかかって、手前の右手に控所と書いてある。
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
小使にくっついて行くと四つ角を曲がって和土たたきの廊下を下へ降りた。世界が急に暗くなる。
三四郎 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
三四郎は靴のひもを結びながら、「ええ、どうでも」と答えた。女はいつのまにか、和土たたきの上へ下りた。下りながら三四郎の耳のそばへ口を持ってきて、「おこっていらっしゃるの」とささやいた。
三四郎 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)