含嗽剤がんそうざい)” の例文
旧字:含嗽劑
「何をしているんだ。落し物でもしたのかい」と上から不思議そうに聞きかける須永を見ると、彼は咽喉のど周囲まわりに白いフラネルをいていた。手にげたのは含嗽剤がんそうざいらしい。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
帰りがけに玄関脇の薬局で、粉薬こぐすりのまま含嗽剤がんそうざいを受取って、それを百倍の微温湯びおんとうに溶解して、一日十数回使用すべき注意を受けた時、宗助は会計の請求した治療代の案外れんなのを喜んだ。
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)