吉祥きっしょう)” の例文
否、昨日梅蘭芳メイランファンや楊小楼を見たる東安市場とうあんしじょう吉祥きっしょう茶園は勿論、一昨日余叔岩よしゅくがん尚小雲しょうしょううんを見たる前門外の三慶園よりも一層じじむさき位ならん。
北京日記抄 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
あのころ、日々、仰ぎ見ては、心に銘じた獄窓の藤花こそ、申さば官兵衛の生涯の師であり、家の吉祥きっしょうでもありますので
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
いささか、そんじょそこらの大道芸とは事違いまする。ご当地では初のお目見得。吉祥きっしょうのご縁結び。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「いま、上天吉祥きっしょうを垂る。これは魏が漢に代って、天下を治めよ、という啓示にほかならぬものである。よろしく魏王にすすめ、漢帝に説き奉らせて受禅じゅぜんの大革を行うべきである」
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)