吉利支丹きりしたん)” の例文
うかれ男 (故更に厳粛の貌を装ひ)や、それこそは邪法の内秘、吉利支丹きりしたん宗門の真言しんごん軽々かろがろしうは教へられぬ。したが白萩よく聞きや。
南蛮寺門前 (新字旧仮名) / 木下杢太郎(著)
天文てんもん十八年西班牙スペイン僧ザビエル、この者が日本へ渡来して、吉利支丹きりしたん宗教を拡めようとした。
南蛮秘話森右近丸 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
わざと申進候天人天降り被成供せんちよふむていは天主様より火のすいちよ被成候間何者なりとも吉利支丹きりしたんに成候はゞ爰許ここもとへ早々可有御越候村々庄野乙名草々御越可有候島中に此状御廻可有候せんちよ坊にてもきりしたんに成候はゞ被成御免候恐惶謹言。
島原の乱雑記 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
痩せてはいるが身長たけ高く、黒の法衣を纏っている。日本の僧侶の法衣ではない。吉利支丹きりしたん僧侶の法衣である。胸に何物か輝いている。銀の十字架が月光を吸い、キラキラ輝いているらしい。
南蛮秘話森右近丸 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
恐ろしい恐ろしい恐ろしい魔法! 吉利支丹きりしたんの魔法に相違ない! こう最初には思ったが、直ぐその後で感付いたものさ、ナーニあいつは毒薬だとな。そこで盗もうと決めっちゃったのさ。
南蛮秘話森右近丸 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)