合羽坂かっぱざか)” の例文
その後天明二年に至って尾州侯にへいせられその上屋舗かみやしき内なる市ヶ谷いちがや合羽坂かっぱざかに住宅を賜った。竹渓が遷館三所といった所以ゆえんである。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
その帯の持主は、市ヶ谷合羽坂かっぱざか下の酒屋の裏に住んでいるおみよという美しい娘で、おみよは何者にか絞め殺されているのであった。そう判ると、又その評判が大きくなった。
半七捕物帳:08 帯取りの池 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
余は元治元年二月二十八日をもって江戸市ヶ谷いちがや合羽坂かっぱざか尾州びしゅう分邸に生れたり。
二葉亭四迷の一生 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)