各々方おのおのがた)” の例文
席上の各々方おのおのがた、今や予が物語すべき順番の来りしまでに、諸君がかたり給いし種々くさぐさの怪談は、いずれも驚魂奪魄きょうこんだっぱく価値あたいなきにあらず。
黒壁 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「全くもって笑止千万、大岡様などは狐鼠泥こそどろ相手に威張っておればよいのだ。喬之助は、飽くまでもこっちの手で片づける! なあ、各々方おのおのがた
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
制し「さように各々方おのおのがたが争っては、誰がゆくことに相成っても不服の残るは当然のこと。さて此処に、絶対に不服の残らず、その上ことの外面白い思いつきがござる。——」
くろがね天狗 (新字新仮名) / 海野十三(著)
各々方おのおのがた、左様では御座らぬか——というんで、当時の人たちが寄ってたかってさんざんピンスボルグをきめつけて異端者あつかいにしたので、可哀そうなピンスボルグはそれを苦に病んだ末
踊る地平線:05 白夜幻想曲 (新字新仮名) / 谷譲次(著)
なんと各々方おのおのがた、この敵の仕打ちはまことに卑怯には相違ないが、この際平馬どのにもしものことがあっては、われわれ一同はまことに困却こんきゃくつかまつる。
平馬と鶯 (新字新仮名) / 林不忘(著)