右少弁うしょうべん)” の例文
「やあ、粗忽そこつ粗忽そこつ。これは日野ノ右少弁うしょうべん俊基としもとでおざるが、火急参内さんだいの大事なあって、余りに牛にむちたせたため、つい、牛の狂いに従者も力およばずこの失態……。ゆるされよ」
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
また、朝廷でも、幕府をはばかッて、以後は彼の蔵人の職をめさせ、前の右少弁うしょうべんにもどして、その官籍も、政事にかかわりのない絵所の一員に移す——とはしていたのである。
私本太平記:02 婆娑羅帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)