古土塀ふるどべい)” の例文
しかるべき門は見えるが、それも場末で、古土塀ふるどべい、やぶれがきの、入曲いりまがつて長く続く屋敷町やしきまちを、あまもよひの陰気な暮方くれがた、その県のれいつかふる相応そうおう支那しなの官人が一人、従者をしたがへて通りかかつた。
雨ばけ (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)