厳冬マローズ)” の例文
きのうの雪の上にけさの雪が降りつもり、また明日の新しい雪がその上に降りつんで、モスクヷの十二月は、厳冬マローズに向ってすすんでいる。
道標 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
厳冬マローズに雪を凍らしている見張所のキノコ屋根。ホテル・パッサージの入口と建築場の入口とが、ひろくない道をはさんで斜めに向きあっていた。
道標 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
モスクヷ全市は真白い砂糖菓子のようになって、厳冬マローズの太陽の下に白樺薪の濃い黒煙をふきあげながら活動している。
道標 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
厳冬マローズで、真白い雪だ。家々の煙出しは白樺薪の濃い煙を吐き出している。