厨川くりやがわ)” の例文
厨川くりやがわしゃくに近き家なり。土淵村の安倍家の四五町北、小烏瀬川こがらせがわ河隈かわくまたての址あり。八幡沢はちまんざたてという。八幡太郎が陣屋というものこれなり。
遠野物語 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
その麓を流るる川を厨川くりやがわといい、これを越えるとすぐに柵址への上り口となる。ただしこの厨川というのは、安倍貞任の最期を告げた奥州の厨川とは全然別の厨川だ。
春雪の出羽路の三日 (新字新仮名) / 喜田貞吉(著)
主筆 すると恋愛の讃美さんびですね。それはいよいよ結構です。厨川くりやがわ博士はかせの「近代恋愛論」以来、一般に青年男女の心は恋愛至上主義に傾いていますから。……勿論近代的恋愛でしょうね?
或恋愛小説 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
『旧蹟遺聞』以後の研究者は、これをもって今の岩手郡厨川くりやがわ村の字八卦に当て、吉田博士は「波気」の下に「のいえに」という一字が落ちたのだろうといわれた。
地名の研究 (新字新仮名) / 柳田国男(著)