危殆ヒアイ)” の例文
こんな危殆ヒアイな感じが心を掠めたものだつたが、何分實際に作者に行き逢つてゐない。知つてゐるのは、春部の話して聞す太宰君だけである。
水中の友 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
だが、彼等の芸質芸量のさのみ愛惜するに及ばぬことゝたかをくゝつて、誰もさう危殆ヒアイの感じは持たなかつた。処が亡くして見ると、誰を喪つたより大きな損失は、殊に幸四郎の上にあつた。
実川延若讃 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)