水中の友すいちゅうのとも
いつまでもものを言はなくなつた友人——。 もつとも若かつたひとり——。 たゞの一度も話をしたことのない 二三行の手紙も彼に書いたことのない私—— 併し私の友情をしづかに享けとつてゐてくれた彼を感じる。 ——友人の死んだ時 私は、嵐の聲を聞い …