危殆あぶな)” の例文
「うむ、待て、危殆あぶない! 待てと言ったら待て!」と、小平太は狼狽うろたえながら、その手を振り放そうとした。
四十八人目 (新字新仮名) / 森田草平(著)
「そうだ、兄が本当に主家を憂うる真心から、ああ言って俺に迫ったのなら、俺はこのまま兄の言うことを聞いて、同志を裏切るような気になったかもしれない。危殆あぶない、本当に危殆あぶないところだった」
四十八人目 (新字新仮名) / 森田草平(著)