午時ひるどき)” の例文
晩夏の午時ひるどき。石欄より登り来る階段の上にはデジデリオ、アントオニオ、バチスタ、パリスの四人茵絨毯しとねの上に寝そべりている。
我等はこゝに朝餐あさげして、公子夫婦は午時ひるどきまで休憩し、それよりうさぎうまやとひてチベリウス帝の別墅べつしよあとを訪はんとす。
「二十日。晴雪相半せいせつあひなかばす午時ひるどき箱館府へ着船。暮時上陸。町宿銭屋与兵衛宅へ落著。」
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
闃然げきぜんたる午時ひるどきの街を行く人は、すぢの如き陰影を求めて夏日の烈しきをかこつといへども、これをこの火の海にたゞよひ、硫黄氣ある毒燄を呼吸し、幾萬とも知られぬ惡蟲に膚を噛まるゝものに比ぶれば