十寸見ますみ)” の例文
久野が、腰をかがめて近づいて来ていた。一人だと思ったのが、重なっていた十寸見ますみが、うしろに動いて見えた。
元禄十三年 (新字新仮名) / 林不忘(著)
桜川由次郎、鳥羽屋小三次、十寸見ますみ和十、乾坤坊けんこんぼう良斎、岩窪いわくぼ北渓、尾の丸小兼こかね竹内ちくない三竺さんちく、喜斎等がその主なるものである。由次郎は後に吉原に遷って二代目善孝ぜんこうと云った。
細木香以 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
十寸見ますみ蘭洲が語って以来、有名になった曲である。
血煙天明陣 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
吉良へ扇箱を届けて帰邸かえってきた久野彦七も納戸なんど役人の北鏡蔵きょうぞうも金奉行の十寸見ますみ兵九郎も黙っていた。
元禄十三年 (新字新仮名) / 林不忘(著)