助任川すけとうがわ)” の例文
そして、助任川すけとうがわからくる水をめてある空濠からぼりの底へ、何千貫の大石がるいるいとして無数に転落しているのであった。
鳴門秘帖:04 船路の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
徳川家より嫁いできたその奥方、また毒を仰いで助任川すけとうがわに身を投じた。すわ、城内城下は申すに及ばず、阿波一国の騒動、かなえのわくがごとしでござる
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
江戸より奥方にいてきた腰元用人こしもとようにんは申すに及ばず、到る所の徳川に縁ある者を隠密と見なし、日ごと夜ごと、これを助任川すけとうがわの河原にだして斬りました。
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
船大工の部屋にゴロついているおめえにしろ、どこかの在所にゃ、肉親もいるだろうに、助任川すけとうがわさらし場へてめえの首が乗ってみろ、親兄弟にまで、泣きを見せなくちゃなるまい。
鳴門秘帖:05 剣山の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)