えぐ)” の例文
大川社長が自分で筆を執つて、「毎日」と或關係があると云はれて居る私立銀行の内幕をえぐつた記事を書いた。
菊池君 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
そして、四つの幡を合せたえぐり紐を引き抜いて、あらかじめ両脇に廻らして置いた紐を徐々に下ろして行ったのだ。
夢殿殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
体の皮をはがれた者、腹を裂かれた者、手を切られた者、足を切られた者、眼をえぐられた者、舌を抜かれた者、それはもう人間の感情を持っていては、ふた眼と見ることのできないものばかりであった。
令狐生冥夢録 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)