前衛ぜんえい)” の例文
こういえば、三木城へ迫るまでの戦いは、簡単に運んだようであるが、前衛ぜんえいの一塁一塁をおとすにも、おびただしい犠牲と、猛烈な攻撃をもって、ようやく抜くことができたのである。
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
なわ垂繩たらしをつけた十尺ばかりの角材を海におろし、両端りょうたんをマレー人に支えさせておいてモニカを水に入れた。垂繩たらしにつかまらせると、四人のマレー人が前衛ぜんえい後衛こうえいになって、岸をめがけて泳ぎだした。
呂宋の壺 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)