“切波千寿”の読み方と例文
読み方割合
きりなみせんじゅ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
下には鼠縮緬ねずみちりめんひっかえしを着、上には黒羽二重はぶたえ両面芥子人形ふたつめんけしにんぎょう加賀紋かがもんの羽織を打ちかけ、宗伝唐茶そうでんからちゃの畳帯をしめていた。藤十郎の右に坐っているのは、一座の若女形わかおやま切波千寿きりなみせんじゅであった。
藤十郎の恋 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
酒宴の席に帰った藤十郎は、人間のかおとは思えないほどの、すさまじい顔をしていた。が、彼は、勧められるままに大盃を五つ六つばかり飲みすと、血走った眼に、切波千寿きりなみせんじゅの方を向きながら
藤十郎の恋 (新字新仮名) / 菊池寛(著)