出入だしいれ)” の例文
生麦酒なまビイル出入だしいれをする一段高い台の上には、器械を胸のあたりにして受持のボオイがあたかも議長席に着いたもののように正面を切って身動みうごきもせず悠然と控えている
三枚続 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
土蔵には唐本が一ぱい這入っていて、書生が一抱ずつ抱えては出入だしいれをする。先生は年が四十二三でもあろうか。三十位の奥さんにお嬢さんの可哀いのが二三人あって、母屋おもやに住んでおられる。
ヰタ・セクスアリス (新字新仮名) / 森鴎外(著)