凶悪きょうあく)” の例文
旧字:凶惡
「諸君はかれらの凶悪きょうあくさを知らないのだ、もし諸君がかれらに修繕器具を貸してやれば、かれらはそのつぎに諸君の食料を要求ようきゅうするだろう」
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
「そんな危険は今後絶対に起こらない。あの凶悪きょうあくなるダリア嬢と共犯者トビ学生は、共に本校から追放されたんだから、もう心配することはない」
海底都市 (新字新仮名) / 海野十三(著)
凶悪きょうあくむざんなひたいのしわ、糸のように細められた、しかし、ものすごく光る目、キューッと三日月形にまげたまっ赤なくちびる、身の毛もよだつおそろしさです。
妖怪博士 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
凶悪きょうあく海蛇うみへびがギロギロ目を光らして、洞前に立ちふさがってでもいるような恐怖きょうふが、一同の胸をしめつけた。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
猛太の胸ははりさけるばかりである、かれはもう凶悪きょうあくな三百代言でもなければ、不正な政党屋でもない、かれのあらゆる血はわが子を救おうとする一心に燃えたった。
ああ玉杯に花うけて (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
「ホーベスさん、あなたは海へびたちのなかでも良心を持っている、ただひとりの善人だと思いますが、かの凶悪きょうあくな海へびたちの手から、このかわいらしい十五人の少年を、救ってやる気はありませんか」
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)